モニターで見た箇所から判断するに恐らく東コース区間

嫌な予感しかしません。3コーナーだと間違いなく縦回転コース=大破です。

今は良くも悪くも色んな人から画像が送られてくるので、即座に情報が入ってきます。

あぁ~

終わった・・・

とりあえず状況が分からないので、オフィシャルさんに聞きライダーは無事、マシンと共にレッカーでパルクフェルメに戻ってくるとの事でメカニック数名と受取に向かいました。
私は傷ついた濱原選手をメディカルセンターへ連れて行きピットへ戻るとメカニック達が転がらないマシンを台車に乗せてピットまで押してました。

マシンの状態は、トップブリッジは割けフロンホイールは完全にロックしていたのでメカニック達がそのまま台車に乗せてピットボックスへ戻してました。

なにげにJONASが心配そうに見ています。(恐らく彼等にはこんな状況のマシンを即座に直して乗るなんて事はないでしょうから)

こういう時、メカニックは反射的に体が勝手に動きます。

通常の8耐であればここまでのクラッシュはリタイア案件です。
しかし、今回は生形選手の引退レース(一応今シーズンでと言うてますけど)です。
残り時間を考えたらなんとかなるか?と思い指示出そうと思ったらみんな勝手に直し始めてましたww

今回は工具を持たないでおこう(若手に任せないとね)と思ってましたが、結局フロント回りをバラシてましたね。

裏では、Tカーからパーツをもぎ取る部隊も

カッコ良いでしょ!汗だくのオヂサン

とりあえず、くそ暑いツナギは脱げとww

転倒からPITBOXに戻ってくるまで30分ほどが経過していました。

実質1時間30分ほどで修理した計算になりますね。

なんとかエンジン始動までこぎつけて、いざ始動!!

ですが!

転倒したバイクはすぐさまエンジン始動はご法度です。
それはなぜなら、エンジンオイルがしっかりと吸い上げられない恐れがあるからです。今どきのエンジンはオイルラインが複雑に配置されている関係から、一度転んだりしてエア咬みしてしまうとオイル循環されないまま始動してしまうのです。
要は、オイルがない状態でエンジン掛けるのと同じなのです。

クランキングさせてオイルレベルが下がっている事を目視で確認した後にエンジン始動!!

YouTubeの絵的には掛からない・・・掛かってくれ~で良いんですよww
だってその方が感傷的に見えましたから。

とは言え、今は決勝中ですのでそのままコースに戻す訳にはいきません。
直したバイクが真っ直ぐ走るかも分かりません。
完成検査的にまずは1周回ってきて欲しいと生形選手に伝えコースインさせたのが、17:40頃でした。

少しハンドリングがクイックな気がするけど(恐らくフレームヘッドパイプは立気味になったのでしょう)真っ直ぐは走る!!

各部チェックと少しの調整の後、再度コースインさせ通常スティントを走行中にそのままでいけばJONASがチェッカーライダーになるところを、チームで相談し最後は生形選手にチェッカーを受けさせようというプランに変更。この時点で順位はもはや気にするレベルではありませんでしたからね。

セイフティカーが出たタイミングで生形選手をPITに戻しJONASへ交代

JONASはナイトセッションを、2”09”台で周回を重ねていました。


このナイトセッションの時間帯は徐々に暗くなっていくなら対応はしやすいのですが、いきなり7時25分に行って来い!は流石に危険なので、JONASを少し早めにPITに戻して最後の8耐を無事に走り切りるんだぞと生形選手へバトンを渡しました。


コースに出れば、最後の8耐と感傷的にとは言ってられないでしょうけどチェッカー受けた後のパレードランでは色んな思いがあった事でしょう。


かくして、エスパルスドリームレーシング生形選手として最後の8耐はチェッカーを受けた物のリザルト上では規定周回数不足となり完走扱いとなりませんでした。


あれだけ大きなクラッシュがあったのに、最後まで諦めず戦い続ける姿勢はお見せする事はできたかなと思っています。そしてやり切った感も十分お腹いっぱいでございます。

ライダーはライダーにしか分からない心情があると思います。

濱原選手が悪い流れを断ち切れなかった原因は分かりません。
巷で耳にした、彼のセッティングに合ってなかったのではないか!?
なんて事はある訳はありません。
もちろん3人のライダーの好み通りにセッティングできる筈はないので、
全員がそれぞれ少しの不満を抱えてアジャストしてくれています。
エンジニアとしても、もちろん誰か一人にアジャストする事はしません。
そこの落としどころが難しくもあり、それも遣り甲斐の一つです。
現に予選までは完璧な仕事をこなしてくれていた訳ですからね。
推測で安易に物を言うのは止めた方が良いですよ。

これからの濱原選手の成長に期待しましょう!!




今回、ウチを通じてスポンサーのご協賛を頂いた方々

本当にありがとうございました。力強い後押しになりました!!

株式会社油忠地所 様
有限会社コスモG 様
栄光小林電気工事株式会社 様
ハタ電気工事株式会社 様
TECH3 OKINAWA 様
Chelsea Clinic 様

大野ゴム工業 様
株式会社さくら 様
医療法人社団たんぽぽ 様

グリル子宝 様
PHK 様
株式会社Revolution 様
D I 様

本当にありがとうございました。
この場を借りて御礼申し上げます。


2005年のminimotoから給油マンに巻き込んで20年 ほんまありがとう、ミッキー!

そして2008年から共に戦った生形秀之、最後に呼んでくれてありがとう!!

まずは長いレーサー人生お疲れ様でした。

また、日頃より当店をご利用頂いておりますお客様へ
レースに携わると、間違いなく一般業務が滞ります。こんな店主のわがままにお付き合いいただきありがとうございました。そこからフィードバックできる事があると信じてやって参りました。今やっている油冷リプロパーツの開発からすると全く違う世界なのですが、そこから得られる知見や情報、また人脈。これもまたレース活動から得られた大切な財産だと思っております。今後ともどうぞよしなにお願いいたします。

                     株式会社m-tech 代表取締役 松本 圭司
                     2025年8月27日

「2025 suzuka 8 hours 鈴鹿8耐 FINAL②」に2件のコメントがあります

  1. 松本様、そしてm-techスタッフの皆様、8耐お疲れ様でした。
    また、今回はこのような挑戦をご支援させて頂く機会を設けて頂き、感謝しております。
    YouTubeの動画は演出も必要ですので、時系列を前後させたり端折ったりする事もある為、色々とご容赦頂いたことも感謝申し上げます。
    現地ではご多忙の為、中々お話しする機会もありませんでしたが、今回のブログを通じて知らなかった事もあり、とても興味深かったです。
    また機会が御座いましたら8耐のインタビューをさせてくださいね。
    まだまだ暑い日が続きますが、皆様体調にはくれぐれもお気をつけて
    では

  2. ハイロー 様
    コメントありがとうございます。
    8耐ってやっぱり色んな事が起きます。それが人を引き付ける魅力なのかもしれません。
    もっとフューチャーされても良いと思うのですが、今回はYouTubeの発信でかなり多くの方へ届けられたと思います。本当にありがとうございました。
    また何かやりましょ!
    まずは御礼までに。
    ゆっくりRを進めていきますね。

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